BODY × BIZ

スクワットを止められない人は、なぜ事業も伸ばせるのか

スクワットを止められない人は、なぜ事業も伸ばせるのか

「継続は力なり」という言葉ほど、多くの人が同意し、そして実践できていないものはないように思います。指導現場で長く観察してきて感じるのは、続けられる人と続けられない人を分ける要因は、意志の強さではないということです。むしろ「やめないための仕組み」を設計できているかどうかに、ほぼ集約されると考えています。

意志ではなく、仕組みで続いている人たち

パーソナルトレーナー時代、長期的に身体を変えていけるクライアントには共通点がありました。週に何度ジムに来るか、ではないのです。「来ないと気持ち悪い」という状態を、生活の中に組み込んでいるかどうかでした。

例えばスクワットを毎日続けている人に話を聞くと、根性で続けているケースは稀です。歯磨きの後にやる、出勤前にやる、といった既存の習慣に紐付けている。あるいは、やらないと身体が重く感じるという感覚的なフィードバックループを獲得している。意志は燃料としては不安定すぎるため、彼らは早い段階でそれを手放しているのです。

事業継続も、構造はまったく同じ

これは事業にも、ほぼそのまま当てはまる構造だと考えています。AI起業の相談を受けていて感じるのは、最初の三ヶ月で挫折する方の多くが「やる気で走ろうとしている」点です。発信、検証、改善といった地味な作業を、毎回その都度の意志決定で行おうとする。これは筋肉痛の朝に「今日もスクワットやるぞ」と毎回奮い立たせるようなもので、長くは持ちません。

一方で伸びていく方は、淡々としています。毎週この曜日に投稿する、月初にこの数値を見る、といった意思決定を不要にする運用を最初に組んでいる。やる気が出た日もそうでない日も、同じ動作が出力される構造を持っているのです。

「やめない仕組み」を設計する三つの視点

身体づくりの現場と事業現場の両方から抽出すると、続く仕組みには三つの要素があるように見えます。第一に、既存の生活動線への接続。新しい習慣を独立して立てない、ということです。第二に、結果ではなく行動を計測対象にすること。売上や体重ではなく、行動回数を見る方が継続率は安定します。第三に、やめたときの違和感を意図的に設計すること。やらない方が居心地が悪い、という状態をどう作るかが鍵になります。

これらは精神論ではなく、設計の問題です。逆に言えば、設計さえ整えれば、特別な意志力がなくても継続は可能だということでもあります。

あなたの事業や習慣は、意志で回っていますか、それとも仕組みで回っていますか。もし前者に心当たりがあるなら、後者へ移行する設計図を、一度落ち着いて引き直してみる価値があると思います。具体的な設計の話は、note の深掘り記事で扱っています。