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重すぎるダンベルを戻せる人が、事業の受注判断を間違えない理由

ジムで少し重すぎるダンベルを掴んでしまったとき、あなたはどうしているでしょうか。無理をしてフォームを崩しながら数回持ち上げる方と、静かにラックへ戻して1段軽い方を選び直す方。この数秒の判断が、半年後の事業判断の質に地味に効いてくる、というのが私の観察です。

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「戻せない数分」に起きていること

重すぎる重量を掴んだまま無理に挙げる数分間、身体の中では複数の代償動作が同時に起きています。反動を使う、可動域を削る、目的の筋群ではなく別の筋肉で挙げる。結果として、そのセットは記録上「10回できた」ように見えても、狙った刺激はほとんど入っていないことが多い。

指導現場で観察された傾向として、この癖を持つ方は「戻す=負け」という感覚を強く持っています。周囲の目、直前の自分の宣言、あるいは扱う重量が自分の価値だという錯覚。いずれも合理的な判断を曇らせる要因です。

問題は、この数分で失うものが「その日の1セット」だけではない、という点にあります。フォームの崩れは癖として定着し、翌週も同じ重量に手が伸びる。判断の失敗が、次の判断の前提を汚染していく構造です。

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受注判断で起きる、まったく同じ現象

これを事業の受注判断に置き換えると、驚くほど同じ構造が現れます。自社のリソースや実績から見て一段大きすぎる案件が来たとき、「掴んでしまった以上、戻せない」と感じてしまう経営者や幹部の方は少なくありません。

受注してから、人員を無理に薄く広げ、外注比率を上げ、自分の稼働時間で穴を埋める。ダンベルで言うところの反動と可動域の削減が、そのまま経営行動として現れる。案件は一応「納品」されますが、狙った利益率も、狙った実績としての質も、ほとんど残らないケースが観察されます。

そして、より深刻なのは翌四半期です。無理をした案件の残務が終わらないうちに、また一段大きすぎる案件に手を伸ばしてしまう。判断の癖は、身体の癖と同じく、意識しない限り更新されないためです。

「選び直す数秒」を持てる人の共通点

一方で、重すぎる重量を素直に戻せる方には、共通した思考の型があります。自分の現在地を「今日のコンディション」という時間軸で捉えていること。そして、目的を「今日の重量」ではなく「三か月後の身体」に置いていることです。

この時間軸の持ち方は、受注判断でもそのまま機能します。今回の案件を掴むかどうかを、単発の売上ではなく、半年後の組織の状態から逆算して判断できる。身の丈を認めるという行為は、自己評価が低いのではなく、時間軸が長いということなのだと考えられます。

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あなたが直近で「少し重いかもしれない」と感じながら掴んだ案件は、半年後の組織にどんなフォームを刻むでしょうか。受注判断の型については、note の深掘り記事で具体的な問い直しの手順を書いています。もし個別の案件で判断に迷う局面があれば、静かに整理する場も設けていますので、気軽にお声がけください。

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